南極に行ってみようか!
と思われたときに、色々調べて検討されると思うのですが、
見るもの、体験できるものなど、選ぶコースによって、大きな違いがあるとはご存じでしょうか?
このブログで、南極に行くツアーやコースをどう選んだらよいか、5つの切り口を2回に分けてご説明していきます。
事前にしっかり選んで、満足度の高い南極旅行を楽しんでください。
1.「南極のどこに行きたいか」で選ぶ
2.「南極で何を見たいか」で選ぶ
3.「南極で何をしたいか」で選ぶ
*** これ以降は「南極旅行の選び方(2)」でご紹介する予定です
4.「料金と日数」で選ぶ
5.「南極にどうやっていくのか」で選ぶ
1.「南極のどこに行きたいか」で選ぶ
まず南極の概要をまとめてみます。
南極は日本の約37倍、約1,400万㎢の大きさの、世界で5番目に大きな大陸です。
そして南極には富士山より高い 4,700mを超える氷の山があり、決して平坦な大陸ではありません。
南緯90度には南極点があります。
この南極点近くに最初に南極条約に署名した日本を含む12か国の国旗が並ぶセレモニアルポールがあります。
南極は自国の領土であると主張することや、軍事利用することは認められいませんので、どこの国にも属していませんが、各国の観測基地は点在しています。
「南極」という言葉の定義は色々ありますが、南極条約の適用される地域は南緯60度から南の全域となります。
南緯66度33分を南極圏と呼び、また南極からの冷たい南極海流と北からの暖かい亜熱帯海流の海流境界を南極収束線と呼びます。
この南極収束線の帯にはナンキョクオキアミが多く、それを求めて多くの動物の姿をみることができます。
南極観光というと、南極から一番近いアルゼンチンのウシュアイアから船で南下してサウスシェトランド諸島と南極半島を観光するコースが一般的です。
南極半島とは言え、南極大陸の一部ですので、そこに上陸することができます。
南極収束線を越えてサウスシェトランド諸島に着くと、多くの動物との遭遇も期待できます。
南極圏まで到達したい!という方には日数が少し長くなりますが、南極半島をさらに南下して南極圏まで行く、というコースもあります。
南極点に行く!というコースもあります。天候などの条件次第なので、リスクもありますが、観光目的で訪問することができます。
南極で一番有名なのは日本の南極観測の拠点、昭和基地だと思いますが、日本の基地は残念ながら観光で行くことはできません。
2.「南極で何を見たいか」で選ぶ
南極で一番の人気者はペンギンです。
南極のどこに行っても同じ種類のペンギンがいるわけではありません。
どんなペンギンと出会いたいのかで、訪問する場所が変わります。
サウスシェトランド諸島と南極半島のコースでは、「ゼンツーペンギン」「ヒゲペンギン」「アデリーペンギン」の3種類のペンギンには、ほぼ確実に遭遇できます。
それより大きくペンギンの中で2番名に大きな「キングペンギン」に出会うには、南極のガラパゴスと呼ばれるサウスジョージア島を訪ねるコースに参加します。
サウスジョージア島には「マカロニペンギン」も生息しています。
サウスジョージア島に寄った後で、南極半島やサウスシェトランド諸島を訪問するので、日数が最低でも5日は長くなります。
また一番大きな「コウテイペンギン」の営巣地を訪ねるコースもあります。
ウエッデル海に面した棚氷でキャンプをしながらの行程ですが、何千羽ものコウテイペンギンとの出会いが期待できます。
卵を温めている姿が見られる時期、雛が孵った時期、換羽している時期など、見たい姿があれば、時期も選ばないといけません。
アザラシも「カニクイアザラシ」と「ヒョウアザラシ」は見る事ができます。
オスの体重が4トンにもなるという大型の「ミナミゾウアザラシ」はサウスジョージア島に生息しています。
特徴ある鳥類も見逃せません。
ウシュアイアを離れドレーク海峡にさしかかるころには大きな「アホウドリ」がグライダーのように飛んでいる姿を見る事ができます。
サウスシェトランド諸島からは、白い鳩のような「サヤハシチドリ」、ペンギンの子供も狙う「トウゾクカモメ」、最初に見たときにはペンギンかと思った「鵜」などに出会うことができます。
期待される方も多いクジラ。
小型の「ミンククジラ」とちょっとずんぐりした「ザトウクジラ」との出会いが期待できます。
動物、鳥類をご案内してきましたが、自然に生息しているので、必ず見ることができる、と保証できるわけではありませんので、ご了承くださいね。
特に、クジラとの出会いは本当に「運」です。
クジラがいそうな場所でゾディアックボートクルーズをしながら探しても、遠くで潮を吹いている様子しか見られなかったこともありますし、ザトウクジラの群れと遭遇して、急遽ゾディアックボートに乗って近くで見学するということもありました。
雪と氷の世界
南極だからいつでも雪と氷は見ることができる。とお思いの方も多いのですが、通常観光で訪れるのは南極の夏。
シーズンの初めは雪や氷が多く白く美しい世界が広がっていますが、シーズンも半ばをすぎると土が見え始めます。
もちろんどの時期も雪や氷がなくなることはありませんが、より白い世界をご覧になられたければシーズン初めがお勧めです。
3.「南極で何をしたいか」で選ぶ
南極で何かできるのか?と思われたかもしれませんが、上陸観光とアクティビティの2つのお話をいたします。
(1)上陸観光
南極では島や大陸に上陸して観光します。
なるべく多く上陸観光をしたい!と思われたら利用する船の、乗客定員と上陸に利用するゾディアックボートの数を考慮しなくてはいけません。
というのも、南極条約と国際南極ツアーオペレーター協会(IAATO)では、南極に一度に上陸できる観光客の人数を100名以内と規制しています。
弊社でオススメしている南極クルーズを運航しているのは、クオーク・エクスペディション社です。
クオーク社では、通常午前と午後の2回上陸観光をします。
乗客定員189名のオーシャン・ダイヤモンドでは、乗客を2つのグループに分けます。(仮にAグループ、Bグループとします)
まずAグループが上陸観光にゾディアックボートで出発
↓
次にBグループがゾディアックボートで海上をクルーズ観光
そのあと上陸
↓
Bグループが降りたゾディアックボートで、Aグループがゾディアックボートクルーズ観光
その後船に戻ります
↓
最後にBグループがゾディアックボートで船に戻ります。
次の上陸地ではAグループとBグループの順番を入れ替えます。
ちなみにゾディアックボートの定員は約10名です。
クオーク社はゾディアックボートも20艘以上、操縦できるスタッフも20名以上いますので、このように待ち時間なく上陸観光ができるのです。
1回の観光時間は、上陸観光・ゾディアックボートクルーズを合わせて2~3時間です。
ゾディアックボートの台数が少なかったり、操縦できるスタッフが少なかったらこのように観光することはできません。
待ち時間が長くて、観光時間が短かった、ということにならないように、調べてみることをお勧めします。
実は私は南極に行くまで、ゾディアックボートクルーズより上陸観光が大事なのではないか、と思っていました。
確かに上陸すれば可愛らしいペンギンを近くで見る事ができます。
ゾディアックボートクルーズでは氷山にいるペンギンやアザラシを近くに見たり、クジラやユニークな形の氷山を探したりと、とても楽しい活動でした。
上陸観光は雪の上を歩くだけでなく、丘(山)歩きもあるので意外に疲れましたが、ゾディアックボートクルーズなら乗っているだけですので、それも楽でした。
(通常上陸観光では自由行動になるので、体力のない方は平地でお過ごしいただけます)
ですので今は、上陸観光も、ゾディアックボートクルーズも両方あっての南極観光だと思っています。
(2)アクティビティ
ただ上陸するだけでなく、アクティビティも体験できます。
クオーク社のアクティビティをご紹介します。
1. ポーラー・プランジ
冷たい南極海に飛び込もう!という南極海飛込大会です。
私も体験しました。
飛び込んだときは夢中で感じませんでしたが、船に戻ってから、水着についた水の冷たさに震えが止まりませんでした。
でもここでしかできない体験ですので、健康の方にはお勧めします。
万一の時のためドクターも隣席し、スタッフが万全のサポートをします。
2. 南極で一夜のキャンプ
夕食後に船を降り、一晩を南極に上陸して過ごすというアクティビティです。
テントではなく、防水加工した寝袋でお休みいただきます。
ここでしかできない貴重な体験ですよね。 南極観光のシーズン初めに行われます。
3. シーカヤック
上陸観光をせずに、その時間をシーカヤックで過ごすというアクティビティです。
シーカヤックの経験者向けです。
南極旅行のイメージが少し具体的になってきましたでしょうか?
南極旅行の選び方(2)では
4. 「料金と日数」で選ぶ
5.「南極にどうやっていくのか」で選ぶ
をお伝えします。
最後までブログをお読みいただき、ありがとうございました。
南極に行くのに具体的にどんなコースがあるかは↓こちらをご参照ください。
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